海外旅行初心者が知っておきたい、渡航先でのお金の持ち方

公開日 : 2022年11月25日
最終更新 :

海外旅行をするとき、旅先で使うお金をどのような形で持っていくか、おおいに頭を悩ますテーマだ。現金、クレジットカード、デビットカード、国際キャッシュカード、それぞれの特徴をしっかり把握し、渡航先の通貨事情もよく調べたうえで、自分の旅のスタイルに合った方法を選択しよう。

また、現地通貨の入手方法について、どのようにするのがベストなのだろうか。ここでは、そうしたお金にまつわる課題をまとめてみた。

旅先での現金入手方法

現地語表示のATMに戸惑う旅行者は多い
©iStock 現地語表示のATMに戸惑う旅行者は多い

日本国内の銀行や国際空港、あるいは現地の国際空港や街なかの両替所などで現地通貨に両替することができるが、両替所により手数料やレートが異なるなどの理由で、両替に関する失敗談が多いようだ。また、海外で多額の現金を持ち歩くことは、安全性の面でおすすめできない。現金は、盗難に遭ったり、紛失したりした場合、まず戻ってこないからだ。

一部の外国では、高額紙幣は偽札が出回っているため、支払いに使用するのを断られることもある。レストラン、ショップ、ホテルなどでの支払いは現金ではなく、カードを優先して使うようにしたい。ただ、地下鉄などの交通費や屋台などカードが使えない場合は、現地通貨が必要となる。その場合でも両替ではなく、現地ATMを活用して、必要最低限の現地通貨を引き出すようにしたほうがよい。「Visa」などの国際ブランドのクレジット、デビット、トラベルプリペイドカードなら、ほとんどの現地ATMで利用できる。国際空港はもちろん、街なかにもATMがあり、24時間利用可能なものが多い。

1.もう怖くない。渡航先でのATM利用のキホン

ATMの利用というと難しいイメージがあるかもしれないが、コツをつかめば意外と簡単。「Visa」などの国際カードブランドのマークがついたATMにカードを挿入し、いくつかの操作をするだけで海外でもキャッシングが可能になる。機種によって表示画面や順番が違う場合があるが、基本は以下のような手順となる

(1)言語選択ボタンを探す
最初の画面は、現地語で表記されていることがほとんどなので、まずは、「LANGUAGE」など言語の切替に関連するボタンを見つける。
ハワイや韓国などは、日本語対応のATMも多いが、日本語非対応でも英語に対応していない機種はないと言っていい。その場合、「ENGLISH」を選択。

国旗などで対応言語を複数標記しているATMもあるが、日本語があることを期待しない方がいいだろう
国旗などで対応言語を複数標記しているATMもあるが、日本語があることを期待しない方がいいだろう

(2)4桁の暗証番号(PIN)を入力

クレジットカードの暗証番号をテンキー入力する。PINコードが分からない人はあらかじめ日本でカード会社に問合せしておこう
クレジットカードの暗証番号をテンキー入力する。PINコードが分からない人はあらかじめ日本でカード会社に問合せしておこう

(3)取引内容を選択する。ここでは預金の引き出しかキャッシングなのでWITHDRAWAL(引出し)を選択しよう

(4)口座を選択

デビットカードを持っている人はSAVINGS(預金)を、クレジットでのキャッシング利用の人はCREDIT(クレジット)を選択する。引っかかるポイントなので、注意しよう。
デビットカードを持っている人はSAVINGS(預金)を、クレジットでのキャッシング利用の人はCREDIT(クレジット)を選択する。引っかかるポイントなので、注意しよう。

(5)金額を選択

「SELECT DISPENSE AMOUNT(金額を選択)」と表示されたら、必要な金額を選択。定額しか選択できないATMもあるが、自分の好きな金額を引き出したい人はOTHER(その他)を選択し、任意の金額を入力しよう
「SELECT DISPENSE AMOUNT(金額を選択)」と表示されたら、必要な金額を選択。定額しか選択できないATMもあるが、自分の好きな金額を引き出したい人はOTHER(その他)を選択し、任意の金額を入力しよう

(6)現金とレシートを受け取る
※各入力画面で「ENTER」を押さなければいけない場合がある。
※ATMの利用にはPIN(暗証番号)が必須となるので、不明な場合は、カード発行金融機関に確認を(確認に2週間ほどかかるので要注意)。
※クレジットカードの場合はキャッシングの可否、利用限度額もあわせて確認しておこう。

ATMは渡航先の国によっても使用感がだいぶ違う。多言語選択のできるATMも多いが、少なくとも英語のATMは使えるようになっておこう。英語選択画面までたどり着けば、WITHDRAWAL(引出し)だけ覚えておけばなんとかなってしまう。

2. デビットカードの使い方

©iStock

デビットカードは銀行口座に入っている金額の範囲でお金を引き出せる、クレジットカードが苦手な方でも使える便利なカードだ。使える金額が一目瞭然なので、安心して買い物ができるほか、銀行口座を持っている15歳以上から作れるので、若い人におススメできる。

使用方法は、クレジットカードと同じだ。例えば「Visaデビット」なら、「Visa」のマークがある加盟店での支払いに利用できる。支払いは後払いではなく、デビットカード発行銀行にある自分の預金口座から原則「即時引き落とし」となる。クレジットカードと異なり、支払い回数は1回のみ(一括)となる。自身の口座の残高以上は使えないので、予算管理にも便利だ。
さらに、「Visa」もしくは、「PLUS」マークがあるATMは、世界200の国と地域に260万台以上設置されており、現地国際空港や街なかなどで、現地通貨を引き出すことが可能だ。24時間利用できるATMも多い。空港の両替所に並ぶ必要もなく、多額の現金を持ち歩く必要もないので、便利で安全性も高い。
万が一、「デビットカード」を第三者に不正使用されても、一定の条件を満たせば、被害金額をカード発行銀行が補償してくれるなどの安心感もある。

「Visaデビットカード」は、2022年11月現在、北陸銀行、りそな銀行、イオン銀行、伊予銀行、池田泉州銀行、西日本シティ銀行、三井住友銀行、中京銀行、愛知銀行、ソニー銀行、北國銀行、千葉銀行、関西みらい銀行、三菱UFJ銀行 、SMBC信託銀行、あおぞら銀行、山梨中央銀行、広島銀行、北海道銀行、スルガ銀行、琉球銀行、PayPay銀行、GMOあおぞらネット銀行、滋賀銀行、大光銀行、常陽銀行、ゆうちょ銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行、埼玉りそな銀行、福井銀行がカードを発行している。また、すべての発行銀行が「Visaデビットカード」の利用に際して、以下のようなサービスを提供している。

「JCB」もデビットカードを発行している。2022年11月現在、秋田銀行、阿波銀行、イオン銀行、池田泉州銀行、auじぶん銀行、愛媛銀行、大垣共立銀行、沖縄銀行、鹿児島銀行、北九州銀行、紀陽銀行、九州カード京都銀行、熊本銀行、佐賀銀行、十六銀行、十八親和銀行、セブン銀行、中国銀行、千葉銀行、東邦銀行、栃木銀行、名古屋銀行、七十七銀行、西日本シティ銀行、八十二銀行、肥後銀行、広島銀行、福岡銀行、北洋銀行、北陸銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、もみじ銀行、山形銀行、山口銀行、楽天銀行が「JCBデビットカード」を発行している。

デビットカードは利用金額に対して、キャッシュバックやポイントの付与があるカードもあるので、現金で買い物をするよりもお得だ(還元率及び方法は発行金融機関によって異なる)。

なお、デビットカードは、海外留学でも活用できる。例えば、日本にいる親が留学中の子供の日本の預金口座に入金すれば、海外にいる子供が「デビットカード」で 買い物やATMから現地通貨を引き出すことができる。海外送金や海外の銀行に口座を開設する手間がかからないので便利だ。口座の残高以上に利用できないし、さらに、あらかじめ利用可能額を設定することもできるカードもあるので、留学中の子供が海外でお金を使いすぎることもない。

【参考リンク】
・Visaデビット
https://www.visa.co.jp/pay-with-visa/find-a-card/debit-cards.html
・JCBデビット
https://www.jcb.jp/products/jcbdebit/

筆者

上原 康仁

登山関連情報の発信が多いです。

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