準備編~1~出発前にこれを日本でやっておこう
海外でスマホを使うのであれば、事前の準備が必要だ。この準備を怠ると、知らないうちに不要なデータ通信が行われ、あとで高額請求に泣くことになりかねない。
海外でスマホをネットに接続する4つの接続方法のどれを使うかによって多少異なるが、準備は主に、「通信料が高額にならないための準備」「海外で接続するための申し込み」「事前の下調べ」がある。
1.高額請求のおそれがあるのは国際ローミング
「国際ローミング」とは、日本の携帯電話会社(キャリア)が海外のキャリアと提携することにより、海外にいても、日本国内と同じように携帯電話が使えるサービスのこと。
ただし、「国際ローミングの仕組みと特徴」でも説明したように、提携していない現地キャリアとつながった場合は高額請求のおそれがあるので、利用しないなら「モバイルデータ通信」をオフにし、利用するなら「海外パケット定額」の準備をしておく。
2.アプリの自動更新をオフにする
スマホの設定で、「アプリの自動更新」をオンにしておくと、知らない間に大量のデータをやり取りしてしまう可能性がある。急ぐものでなければ、アプリの更新は帰国してから行えば問題ない。
海外旅行中に自動更新されない設定にしておこう。
iPhoneの設定方法
(1)「設定」アプリを開き、「iTunes&AppSotre」をタップする。

(2)「自動ダウンロード」に表示されているすべての項目をオフにする。

Androidの設定方法
(1)「Playストア」アプリを開き、左上のメニューボタンをタップ。

(2)「設定」を選び、「アプリの自動更新」をタップする。

(3)「アプリを自動更新しない」をタップで選ぶ。「Wi-Fi接続時のみアプリを自動更新する」でもよい。

※スマホ端末によってメニューや設定方法が異なる場合があります。
その他の設定項目
また、クラウドサービスのように、データが更新されるたびにデータの送受信を行うサービスも、同期の設定を「Wi-Fiと接続したときのみ同期」などに変えておこう。「設定」画面上で設定変更が可能。
設定項目 | オン/オフの設定 | 対応OS |
---|---|---|
iCloud | オフに設定 | iPhoneのみ |
Wi-Fiアシスト | オフに設定 | iPhoneのみ |
クラウドサービス (DropBoxなど) | オフに設定 | iPhone、Android |
3.海外用モバイルWi-Fiルーターのレンタルを申し込む(海外用モバイルWi-Fiを利用する人のみ)
モバイルWi-Fiとは、携帯できるタイプのWi-Fiルーター(機器)のこと。
渡航国で使えるように設定されたモバイルWi-Fiを貸し出すサービスで、1日単位の定額制でレンタルできる。
この海外用モバイルWi-Fiをレンタルするのであれば、事前にネットなどで申し込んでおこう。出発当日に、指定した空港で受け取ることができる。
この方法のメリットなどを紹介したい。
4.海外パケット定額に申し込む(海外パケット定額を利用する人のみ)
NTTドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアのユーザーであれば(※)、国際ローミングを使えば、海外でも音声通話はもちろん、メールやLINEなどのネット接続が必要なサービスを日本と同じように利用できる。
国際ローミングを使うなら、「海外パケット定額」の利用を強くおすすめしたい。1日あたりの使用料金の上限があり、安心だ。
※3大キャリア以外のMVNO(いわゆる格安SIM)のうち、海外での音声ローミングが可能なものはあるが、海外でモバイルデータローミングができるサービスはない(2016年4月現在)。
各キャリアが、「海外パケット定額」サービスを用意しているが、NTTドコモの「海外1dayパケ」は、事前の申し込みが必要だ。
また3大キャリアは、海外パケット定額利用者のためのアプリを用意している。このアプリを使うことで、提携現地キャリアと接続することができるので、事前にダウンロードしておこう。
(NTTドコモとauは自動接続、ソフトバンクは手動接続となる)
これだけ準備しておけば、あとは現地到着後、提携キャリアからSMSメッセージが届き次第、利用可能となる。
キャリア | サービス名 | 事前申し込み(※) | 対応アプリ | 対応OS |
---|---|---|---|---|
NTTドコモ | 海外1dayパケ | 必要 | 海外1day開始 | Android |
海外パケ・ホーダイ | 不要 | NTTドコモ海外利用 | Android | |
au | 海外ダブル定額 | 不要 | GLOBAL PASSPORT | iPhone、Android |
世界データ定額 | 不要 | 世界データ定額 | iPhone、Android | |
ソフトバンク | 海外パケットし放題 | 不要 | 海外パケットし放題 | iPhone、Android |
※事前申し込みの要/不要に関わらず、アプリは事前にダウンロードしておく
5.フリーWi-Fiスポットを調べる
フリーWi-Fiとは、ホテル、カフェ、ショッピングモール、駅などに設置されたWi-Fiルーターを施設利用者に対して、無料で開放しているサービスのことだ。
ネットが自由に使えない旅先で、フリーWi-Fiのスポットを検索するのは大変なので、出発前に自分の行動範囲の中にあるかどうか、調べておくといいだろう。
ただし、パスワードをホテルやカフェのスタッフに聞く必要や、現地語での設定が必要な場合があり、別途Wi-Fi利用に料金が発生することもある。
また、セキュリティ上の懸念があることも心得ておこう。詳しくはこちら。
Googleマップで調べる
スマホアプリの「Googleマップ」を起動して、自分が訪れるエリアを表示し、検索ボックスに「Free Wi-Fi」と入力すれば、フリーWi-Fiを導入している施設などが表示される。
パソコンやスマホの「Googleマップ」サイトからも同じ操作が可能だ。
(1)Googleマップアプリをインストールして、起動する。

(2)旅行先のエリアを表示して、検索ボックスに、「Free Wi-Fi」と入力すると、該当する施設が一覧表示され、地図上にもポイントが表示される。

6.飛行機に乗る前にモバイルデータ通信をオフにする
「モバイルデータ通信」の設定をオンにしていると、海外で、自動的に現地の携帯電話回線につながってしまい、データの送受信が行われて高額請求につながるおそれがある。
自動的にデータのやり取りが行われないように、まずは飛行機に乗り込む前に、「モバイルデータ通信」と「データローミング」をオフにしておこう。
こうしておけば、現地でWi-Fiには接続しても、携帯電話回線には接続しないので、高額請求のおそれを回避できる。
なお、キャリアの海外パケット定額を利用する際には、「モバイルデータ通信」「データローミング」ともにオンにしておく必要がある。
また、現地SIMを利用する場合には、「モバイルデータ通信」をオンにする。
iPhoneの設定方法
(1)「設定」アプリを開き、「モバイルデータ通信」をタップする。

(2)「モバイルデータ通信」をオフにする。「モバイルデータ通信」をオフにした時点で、「ローミング」あるいは「データローミング」は自動的にオフになる。
※「海外パケット定額」を利用する場合は、現地で、利用時のみ「モバイルデータ通信」「(データ)ローミング」ともに、オンにする。
※「現地SIM」を利用する場合は、「モバイルデータ通信」をオンにする。

※キャリアによって多少設定画面が異なる
Androidの設定方法
(1)「設定」アプリを開き、「モバイルネットワーク」をタップする。機種によって異なるが、「モバイルネットワーク」は、ネットワーク関連のメニューにある。

(2)「データ通信を有効にする」と「データローミング」を両方オフにする。

7.海外でのスマホ通信設定のまとめ
海外で利用する機能によって、必要な「設定」が異なるので覚えておこう。
利用する機能 | 利用する通信の種類 | 海外で利用する際の設定 |
---|---|---|
・音声通話 ・SMS | 携帯電話回線 (音声通話ローミング) | ・モバイルデータ通信:オフでも可 ・データローミング:オフでも可 ・音声通話ローミング:オン |
・インターネット接続 (PCメール、キャリアメール、LINE、マップ、検索など) ・IP電話 | 携帯電話回線 (データローミング) | ・モバイルデータ通信:オン ・データローミング:オン ・音声通話ローミング:オフでも可 |
Wi-Fi | ・モバイルデータ通信:オフ ・データローミング:オフ ・音声通話ローミング:オフでも可 |
※キャリアや機種によっては、「モバイルデータ通信」をオフにすると、「データローミング」は自動的にオフになる。
※「音声通話ローミング」のみを個別にオフに設定できない機種もある。
実は便利な「機内モード」
「海外でどんな設定にすれば安心なのか、よくわからない」と不安に感じる人もいるだろう。
そういうときは、「機内モード」を利用するといい。
スマホの「機内モード」をオンにすると、スマホから一切の電波が発信されない状態になる。
つまり、
・携帯電話の音声通話
・携帯電話のデータ通信(モバイルデータ通信、パケット通信)
・Wi-Fi
・bluetooth(ブルートゥース/無線規格のひとつ)
が、一旦、すべてオフになるのだ。
このうち、Wi-Fiとbluetoothは、機内モードをオンにしたまま、個別にオンにすることができる。
機内モードは、飛行機内で利用するだけでなく、現地で携帯電話回線を一切使わずWi-Fiだけを利用するつもりの人にも便利な設定だ。
旅行期間中、「機内モード:オン」→「Wi-Fi:オン」という設定にしておくだけで、「モバイルデータ通信」や「ローミング」などの設定を気にすることなく、安心してスマホが使えるのだ。
ただし、携帯電話番号によるキャリアの音声通話ができないので、注意しよう。
iPhoneの設定方法
(1)「設定」アプリを開き、「機内モード」をタップしてオンにする。画面下部を上方向にスライドさせて表示する、「コントロールセンター」で切り替えることもできる。

(2)画面上部のステータスバーに、飛行機のマークが表示されていれば、「機内モード」はオンだ。

Androidの設定方法
(1)「設定」アプリを開き、「機内モード」をオンにする。機種によって異なるが、「機内モード」は、ネットワーク関連のメニューにあり、また、ステータスバーで切り替えることも可能。

(2)画面上部のステータスバーに、飛行機のマークが表示されていれば、「機内モード」はオンだ。

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