海外旅行の入国手続きの流れと空港から出るまでにやるべきこと

公開日 : 2022年12月17日
最終更新 :

飛行機が目的地に近づくとパーサーから入国に必要な書類、税関審査書類と入国カードが配布されます。間違えないように丁寧に記入しましょう。入国審査が終われば晴れて入国、異国の第一歩を踏み出そう。

1) 入国のための書類と税関申告書類

こちらは帰国時に日本に入国する際の書式。どの国も、1)危険物などの持ち込み制限荷物がないか 2)高額の現金などを持ち歩いていないか 3)郵送で送った荷物はないか、などが英語などで記されている
こちらは帰国時に日本に入国する際の書式。どの国も、1)危険物などの持ち込み制限荷物がないか 2)高額の現金などを持ち歩いていないか 3)郵送で送った荷物はないか、などが英語などで記されている

2) 入国手続きの流れ

入国の際は、到着→入国審査(イミグレーション)→荷物の受け取り→税関(カスタム)→入国 という流れになります。

1 到着
「Arrival」のサインに従って入国審査のカウンターへと向かいます。人の流れについていけばいいと思っていると、トランジットの乗客の場合もあるので注意。

2 入国審査
カウンターの係官にパスポートと入国カードを提示します。入国目的や滞在期間などを聞かれたり、復路の航空券の提示を求めたりする国もあれば、パスポートを簡単に確認するだけの国もあります。

3 荷物の受け取り
「Baggage Claim」のサインに従って進み、自分が乗ってきた便名が表示されたターンテーブルで荷物を受け取ります。もしも、自分の荷物が破損していたり、出てこなかったりした場合は、すぐに「Lost&Found」のカウンターへ言って申し出ましょう。

4 税関
機内で記入した税関申告書を提出します。赤いライトの「Declare」(申告が必要)と緑のライト「Not Declare」(申告不要)のカウンターに分かれているので、申告する必要がない場合は緑のカウンターに進みます。呼び止められて抜き打ち検査が実施されることもありますが、そのときは検査に協力すれば問題ないでしょう。

5 入国
最後のゲートをくぐり、入国となります。

入国審査について

入国審査ではパスポートと入国カードをカウンターの係員に提示します。係官は、パスポートの写真と本人の顔を見比べ、本人かどうかを確認、パスポートのIC情報を読み取って過去の入国記録などを調べ、入国許可を与えていい人物かどうかを審査します。パスポートを確認し、ビザ(査証)が必要な国でビザ(査証)がなかったり、残存有効期間が少なかったりした場合、入国を拒否されることもあるので、旅行前にはチェックを忘れずに。また、所持金が少ない場合や復路の航空券を所持していない場合も入国できない可能性があります。出発前には、ビザ(査証)が必要かどうか、入国に必要なパスポートの残存有効期間もしっかり確認しましょう。

●そのほかの注意点
ビザ(査証)を必要としない国でも入国審査が厳しいことで知られるアメリカなどでは、頻繁に出入国を繰り返していると、怪しい人物だと認定されてしまい、入国審査時に別室で細かく質問をされることがあります。なお、パスポートカバーをしている場合は、審査の際、邪魔になるので外しておくようにしましょう。

3) 現地通貨を両替する

日本で到着地の通貨を用意していなかった場合、まず空港内の両替窓口やATMに向かいましょう。

●現金の所持は必要最小限におさえよう
空港内にある両替所のレートは、市内の銀行よりレートが悪い場合が多い。また、両替の際に一定の手数料を徴収されることもあるので、どこで両替したら得かわからない人は、少額を両替すれば後で後悔しないで済みます。両替前にレートと手数料の確認をし、さらに、両替したら受領した現金とレシートを確認しましょう(レシートは保管しておきましょう)。少額しか使わない人は両替回数を増やしてしまい、手数料分損してしまうこともあり得るので注意したいですね。

両替は、両替所によってレートや手数料が異なるなどの理由で失敗談が多い。また、海外では多額の現金を持ち歩くのは、リスクも高いため、必要最低限の現金を所持するようにし、カードでの決済をするように心がけたい。なお、空港内や市内のATMを利用し、現地通貨を引き出す方法もある。海外でのお金の基本的な知識やATMの利用方法は、以下を参照のこと。
https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/3000231/

4) 情報収集

空港には、さまざまな観光パンフレットや地図など、無料で入手できる情報が数多くあります。市内へ出る前に、しっかり情報収集をしましょう。

●情報を無料で入手しよう
主要都市の空港には、たいていの場合、インフォメーション・センター(i というサインがそれ)や観光案内所が設けられており、空港から市内へのアクセス情報・路線図やホテルの情報、観光パンフレットや地図などを用意しています。こうした印刷物は基本的に無料なので、必要と思われるものをピックアップしよう。基本的な情報はガイドブックなどにあるので、自分の興味のあるアクティビティなどの最新資料を集める感覚でよいでしょう。また、当日のホテルが決まっていないときには、空港内にホテルの予約窓口がある場合も多いので、そこで予算を伝えて空室のあるホテルを紹介してもらうのも一手です。

5) 空港からの交通機関

空港から市内へ向かうアクセスは、いくつか選択肢が用意されているケースが多い。所要時間や費用を考慮したうえで選択するようにしましょう。

●さまざまな交通機関の利用方法
目的地の空港に到着し、入国審査と税関審査、両替等を済ませたら市内へと向かいましょう。アメリカなら「Grand Transportation」、そのほかの国なら「BUS」や「TAXI」といった表示がある方向へ進みます。空港内は、ピクトグラム(絵記号)等で示されているので迷うことはほとんどないでしょう。乗り場や運賃、所要時間などについては空港内の案内所で教えてくれます。積極的に利用したいですね。

空港から市内へのアクセスの種類

空港からは、バス(リムジンバス、エアポートバス、市バス)、鉄道、地下鉄、タクシーなど、公共交通機関を利用して市内へ向かうことになる。乗り場や料金、所要時間は、「地球の歩き方」ガイドブックや空港内にある案内所で確認しよう。

バス
リムジンバスは何か所か経由して市内の最終目的地まで行くのでやや時間がかかるものの荷物から解放されるのでとても楽です。市バスが走っているところも多く、安い運賃で利用できるが、目的地の場所がさっぱりわからないなど、ルートを知らない初心者には利用しにくいかもしれません。大きな荷物を置くスペースは用意されていないし、時間もそれなりにかかるのは覚悟しておきましょう。また、高級ホテルの場合、空港から専用の無料送迎バスを運行している場合もあるので、予約したホテルに確認しておくと無駄が省け安心してホテルまで着くことができます。

列車 / 地下鉄
鉄道や地下鉄が乗り入れている空港も多いです。路線図を確認すれば、どこへ行くかは一目瞭然なので初心者にも安心して利用できます。また、渋滞に巻き込まれることなく、市内へ出られるというメリットもあります。ただし、移動時に階段が多く、大きな荷物を持っての移動に苦労する場合もあります。

タクシー
目的地に直行できるのがタクシーの大きなメリット。バスや鉄道に比べると料金は高めですが、夜遅く空港に到着したときや荷物が多い場合は利用価値が高いです。グループで旅行している人はリムジンバスより割安になる場合もあります。メーターを回さなかったり不正に高い費用を請求してくるドライバーもいるので、料金の相場は、ガイドブックや案内所で確認しておくと安心。注意点としては、営業許可を受けていない白タクには、十分注意しましょう。運賃や犯罪など、トラブルに発展する可能性が高くなってしまいます。

レンタカー
空港にはレンタカーのオフィスがあるケースが多いので、ここで車を借りて観光をスタートするという方法もあります。旅立ち前に日本で予約をしておくとよりスムーズ。

【参考リンク】地球の歩き方トラベル 海外レンタカー予約
http://car.arukikata.com/

6) 空港でのトラブルに備えよう

さまざまな人が行き交う空港は、トラブルの多い場所でもあります。特に海外では、入国審査を終えたら日本にいる気分ですごすのは危険。空港では、以下のようなトラブルが多く起きているので、常に緊張感を忘れずに行動するようにしたいですね。

盗難
置き引きやスリは国内に比べ圧倒的に多い。荷物の管理は万全を尽くしましょう。旅行客を狙った空港専門の窃盗団も存在します。チェックインの際に足元に置いたバッグを置き引きされるケースもあります。また、海外の空港では、バゲージクレームでターンテーブルから荷物をピックアップする際に、カートに残した持ち込み荷物を盗まれることもあります。同様に、両替所やインフォメーション・センター、レンタカーのカウンターなどで足元に置いた荷物を置き引きされることも…。特に旅の開始時はどうしても注意力が散漫になりがち。気持ちを切り替えてのぞみましょう。貴重品は常に身につけて管理するようにしましょう。

機内預け荷物が出てこない
出発時に機内預けにした荷物が出てこない場合は、バゲージクレーム・カウンターで搭乗券と一緒に渡されたバゲージクレーム・タグ(手荷物引換証)を提示し、捜索を依頼する。まったく違う国に荷物が届いてしまい、帰国前になって届く、なんてことも…。

時差に注意
空港に着いた時点で現地時刻に時計を合わせておこう。これをしておかないと乗り継ぎ便に遅れたり、予約しておいた列車に乗れなかったり、といったアクシデントに見舞われる可能性も。

旅の開始時にトラブルに巻き込まれると、たとえ被害が大したことがなくても精神的に大きなダメージを受けてしまいます。余計なトラブルを引き付ける行動をとらないように注意して海外生活をスタートしたいですね。

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』のメディアサイト『地球の歩き方web』を運営しているチームです。世界約50の国と地域、160人以上の国内外の都市のスペシャリスト・特派員が発信する旅の最新情報をお届けします。

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