海外旅行のトラブル対策

公開日 : 2023年01月05日
最終更新 :

海外の治安情報を入手する

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国や町の「治安が悪い」と言われると「危険だということ」は分かるが、実際にどう危ないのか十分理解している人は少ない。その原因は政情が不安定だったり、大規模な天災があった直後だったり、内戦状態だったり、といろいろなことが想定できるが、そうした場所は旅には不適切だということは分かるだろう。旅行のプランニングをする際には、旅先の候補として考えている場所の治安情報を入手して、しっかり把握するようにしよう。

情報を手に入れるには

治安情報の入手先としては、インターネットが最も有用。特に外務省の海外安全情報は、一度はチェックして参考にしたい。同じく外務省の各国在外公館のサイトでは最新の現地ニュースが入手可能。また、現地で発行されている邦字メディア(新聞)や英字新聞の公式サイトにアクセスしたり、観光局に問い合わせたりして最新情報を手に入れよう。

【参考リンク】 外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/

現地でも情報収集

国全体の治安が悪化しているケースもあるが、ある町の特定エリアのみ治安が悪いということも少なくない。こうした細かい情報はなかなか得られないので、現地で確認するのが一番。観光案内所や滞在しているホテルで、地図を見ながら危険なエリアを教えてもらってから行動するようにしよう。

2.海外での犯罪被害への対処法

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旅先でトラブルに巻き込まれるなどということは想像したくはないが、万一の場合にきちんと備えておきたい。危機管理というと少々大げさかもしれないが、自分の身は自分で守るというのが原則。常に行動には注意を払うことで結果的には犯罪被害に遭遇する確率も低くなる。日本人は海外で狙われていると言われるのは、実は日本人の危機管理意識の低さが指摘されているということなのだ。

トラブルとその対処法

海外で日本人が遭いやすいトラブルとその対処法は下記の通り。

盗難
対処法:警察に届け、事故証明書を作成してもらう。
対策:荷物の管理を徹底する。必要のない貴重品は持ち歩かない。

パスポート紛失
対処法:警察に届け、紛失・盗難届出証明書を作成してもらう。
対策:パスポートはコピーし、パスポートNo.と発行年月日は控えておく。

現金紛失
対処法:クレジットカードでキャッシングする。または日本から送金してもらう。
対策:必要最小限の現金しか持たない。持つ場合は小分けに。

クレジットカード紛失
対処法:至急カード会社に連絡し、無効手続きをとる。カード会社によっては現地で再発行ができる。
対策:カードNo.と有効期限を控えておき、カード会社の緊急連絡先をメモしておく。

カード紛失時の緊急連絡先
・Visa
https://www.visa.co.jp/

・Mastercard
https://www.mastercard.co.jp/

・JCB
https://www.jcb.co.jp/

・アメリカン・エキスプレス
https://www.americanexpress.com/

・ダイナースクラブ
https://www.diners.co.jp/

航空券紛失(eチケットでない場合)
対処法:航空会社へ再発行を依頼する。
対策:航空券のコピーをとり、購入した会社の連絡先をメモしておく。

荷物紛失
対処法:警察に届け、紛失・盗難届出証明書を作成してもらう。
対策:航空券のコピーをとり、購入した会社の連絡先をメモしておく。海外旅行傷害保険に加入しておく。

【参考リンク】 パスポートをなくしたら
https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/3000226/2/

3.海外で病気になったら

ABCストアのドラッグコーナー
ABCストアのドラッグコーナー

気候の違い、時差、慣れない食事や水、過密なスケジュールなどが原因となり、旅先で体調を崩すことは多い。体調がおかしいと感じたら、旅を中断し、快復するまで身体を休めることも大切。

旅先で多い病気とは

旅先で起こる体調不良の2大要因といえば下痢と風邪。その原因と対処法は次のとおり。

・下痢
現地の食事や水が原因で起こることがほとんど。暴飲暴食を避け、調子が悪いなと思ったら、回復するまでスポーツドリンクなどで水分を摂取しよう。飲み慣れている胃腸薬や下痢止めは必ずバッグに入れて持ち歩くこと。

・風邪
気候の違いやホテルの部屋の乾燥、過密スケジュールによる疲れなどから風邪をひいてしまう。風邪の症状がでたら持参した薬を飲み、ゆっくり眠ること。

症状が回復しないときは

休息をとっても症状が緩和されないときや今まで経験したことのない痛みなどがある時は、すぐに現地の病院へ行こう。ホテルに紹介してもらうのが早道だが、現地の日本大使館や総領事館で日本語もしくは英語の通じる病院を紹介してもらうといい。また、海外旅行保険のサービスセンターに連絡すれば、提携している病院で診察を受けることが可能。病院によっては、キャッシュレスで受診できる。

なお、海外で病院の診療を受けると高額な医療費の支払いが発生するケースが多い。海外旅行保険には、日本出発前に加入し、保険証書などを持参するようにしよう。

【参考リンク】
海外旅行保険の基礎知識
https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/3000681/

4.海外でのその他のトラブル

ロンドンでの地下鉄ストライキ ©iStock
ロンドンでの地下鉄ストライキ ©iStock

盗難や病気のほか、外国で見舞われる可能性のあるトラブルは次の通り。

麻薬

一般旅行者にも心得ておいてほしいのが麻薬。オランダのように大麻などの麻薬が合法化されている国もあるが、ほとんどの国では持っているだけで犯罪となり、重い刑が言い渡される。特にシンガポールをはじめとした東南アジアやイスラム圏では、所持しているだけでも、その量によっては極刑、つまり死刑になる国もある。とにかく麻薬には関わらないようにしよう。また、旅先で知り合った外国人から一時預かって欲しいと頼まれても気やすく荷物を預かったりしないように。そうした荷物の中に麻薬が隠されていて、日本人が犯罪に巻き込まれるという事件が起きている。

ストライキ

ヨーロッパの一部の国では、突然ストライキになり、交通機関がストップするということがたまに起きる。なかなか情報が入ってこないので、事前に予想するのは困難だが、対策としてはあまり過密スケジュールを組まないこと。特に帰国日近くに長距離移動をしなくてはいけないような計画を立てると、ストライキによって帰国便に乗れないといった最悪の事態に陥ることもある。

テロ、内戦、暴動、クーデター

可能性は非常に低いが、滞在地でテロや内戦、暴動、クーデターといった緊急事態に遭遇したら、とにかく安全な場所に避難し、日本大使館や総領事館に連絡を取り、指示を仰ぐこと。こうしたことから身を守るには、旅立ち前には目的地の治安情報をしっかり確認することが重要だ。

【参考リンク】
外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/

筆者

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